波筬織作務衣 潮騒(2)

京都西陣の古来の手法を進化させた発展の織り
この表情を醸し出すために用いられた織りは、波筬織(なみおさおり)と命名されたもの。通常の織りとは大きく違い、縦糸が横糸に対して、1本または数本ごとに位置を変えて織るもので、それにより生地の間隔に適度な空きができ、“もどり”と呼ばれる波のような独特の表情を作り出します。
この手法、京都の西陣織りに古くから伝わる手法を発展させたもので、まさに進化する装いをひとつのテーマとして推奨する当会には技術的にも心情的にも実にしっくりとくるもの。
加えて今回は、糸にもひと工夫。生地により豊かな表情を持たせるために横糸は単糸の太い糸を使用。また、強さと光沢を醸し出すために縦糸にはポリエステルの糸を採用しました。
織機から工夫を…このこだわりが新境地を拓く
その生地を織り上げる織機の心臓部とも称されるほどに大切な部分、それが筬(おさ)と呼ばれる、縦糸に横糸を打ち込むための道具です。この筬、約3.3センチの間に厚さ1ミリ足らずの金の羽が70蚊等120枚も細かく櫛のように並んだもので、今回の生地を生み出すために特別に工夫を凝らしたもの。
その創意が生み出した見事な波模様を見つめていると、まるで春の海を眺めているように潮騒が聴こえ、心洗われるような穏やかさを与えてくれます。

帆布作務衣 茶(2)

お洒落の通も唸らせる彩りは個性を尊重する方にお薦めです。
前回ご紹介いたしましたように、素材は人生の航海の友として実にふさわしい帆布を採用。丈夫で通気性があり、吸汗性にも優れ、ゴシゴシ洗えて、時が経つほどに馴染んで味が出る・・・。常日頃から普段着として、作務衣ライフをお愉しみいただけるその爽やかな着心地は天然素材の綿、そして着るということを実感させてくれる、頼りがいのある厚手の生地ならでは。
その作務衣の原点ともいえる素材と仕立てを、最新技術の【バイオウォッシュ】により、さらに柔らかく爽やかな袖通しに仕上げました。
帆布のワイルド感と最新技術による優しさの融合・・・それも当作品の大きな魅力のひとつです。ぱっと見には穏やかな表情をした一着ですが、その実はまさにユニーク。話題のネタとしても「作務衣コミュニケーション」が弾むに違いありません。

帆布作務衣 紺(1)

じっくりと時間をかけてご愛用いただきたい、新しくも古き佳き薫り漂う逸品。王道の紺は、季節の青空と爽やかな風に堂々とよく似合う。
ときに嵐に会い雨風に翻弄され、ときにうららかな陽光と爽やかな風の中で笑顔する。針路や目的はとりあえず決めてはあるものの、行く先に何が待ち受けているかは神のみぞ知る・・・。
船での航海は、何だか人生とよく似ています。潮風に耐え、月日に耐え、その風雪を我が身の糧としてより羽ばたく。そこに、その人にしか生まれない深く味わい深い人生の年輪が刻まれてゆくのです。
いやはや、まさに作務衣もしかり。このたびお披露目させていただきました「帆布作務衣」も、そのように着ていただきたい想いも込めて開発を進めましたもの。じっくりとご愛用いただきたくお願い申し上げます。

新・高機能作務衣 新生

吸汗・防汚の新機能を裏地にも施した一着
従来の撥水・撥油加工、形態安定加工などの多彩な加工に加え、日々の暮らしを気遣い無用で存分に愉しむにふさわしい、新たな機能を付加。その詳細はと云いますと・・・
・袖通しの際などに起こる嫌な静電気を防ぐ「帯電防止加工」
・泥やホコリなどの汚れがつきにくく、また丸洗いの洗濯時に汚れが落ちやすい「防汚加工」
・一重の仕立てにはない滑らかな袖通しと、ピシッとしたハリのある着心地が愉しめる「総裏仕立て」
・総裏の生地は、帯電防止加工の付加はもちろん、綿よりも吸汗性に優れた『吸汗加工』を施し、常に爽やかな着心地が愉しめます。
ソフトな肌触りで着心地も滑らか。お肌の敏感な女性の方でも安心してお召しいただける一着です。

みじん刺子作務衣 隼人

全体の雰囲気を引き締める一着
前回の「綿刺子織作務衣 風輝」のお手本となった名作「みじん刺子作務衣 隼人」。両者のスタイルは、実に凛々しいもの。「風輝」同様、圧倒的な存在感を醸し出します。
セットの羽織を羽織ることで、着こなしはさらにアップ。顔つきまで引き締まる、一着です。

綿刺子織作務衣 風輝

あなたを21世紀の武士(もののふ)に変身させる作務衣です。
袴スタイルのズボンと、陣羽織風の羽織をあしらった、温故知新の新しい意匠は、目にも鮮やかな存在感を醸しています。
威風堂々とした佇まい
それは、袖を通すだけで誰もが猛々しく変身できるという大きな魅力の証。肩幅を広く大きく見せる陣羽織風の羽織の効果により、身体全体を大きく、堂々とした雰囲気にて見せることができます。
また、袴風のズボンに付けられた幅広の紐により、臍下丹田をギュッと引き締めることができるため、精神的にも背筋が伸び、全体の雰囲気がより引き締まります。
さらに、羽織は、衿元の折り返しをとり入れた本格的な和装仕立てです。

綿刺子織作務衣 若竹・茶(めんさしこおりさむえ わかたけ・ちゃ)

刺子が際立つ彩りが豊富なのも当会ならでは。
素朴な風合いが魅力の綿刺子も、今では爛熟と呼んでも過言ではないほどに彩りも実に豊富。彩りから刺子を選ぶ…という、他では味わえない楽しさをご提供できるのも、作務衣の専門館として装いの未踏の地を拓く当会ならではと自負しております。
若竹を思わせる爽やかな彩りが、女性の魅力により華やぎを添える…
当会作務衣のリラックス効果は言わずもがな。しかも、顔色を爽やかに見せる若竹の彩りの綿刺子とくればなおさらです。
折しも活動的な季節。普段の暮らしの中でお召しになられることはもちろん、お出かけの際にも、心を弾ませてくれる一着となること請け合いです。

綿刺子織作務衣 黒無双(めんさしこおりさむえ くろむそう)

“綿刺子”といえば極めつけは黒。質感と素朴な味わいがたまらない。
刺子といえば冬…と云う常識を覆し、季節を問わずお求めになる方々が圧倒的に増えている、今まさにブーム真っ只中の刺子作務衣シリーズ。
その最新、最先鋒として遂に登場したのが、綿の黒刺子作務衣です。
会員の方々から、是が非でも黒を…という熱いご要望をいただきながら、なぜ今まで出さなかったのか…。僭越ながら云わせていただくと、ベストセラー作家が”これは!”と思う題材を我が子のように何年も大事にその胸の内にあたためて吟味し続ける心境にも似ている…とでも申しましょうか。それだけ、綿の刺子、しかも黒とくれば、当会としても何物にも代えがたいものがあったのです。
それを今回発表したのは、綿刺子の良さを熟知し愛していただく方が驚くほど増えたこと、そして奇しくも当会が創立15周年を迎えたことと合い重なって、”機は熟せり”、との意識が盛り上がったためなのです。いわばこれぞ綿刺子の真打ち。春夏に”黒のざっくり”を謳歌できる、当会自信の最新作です。

キュプラ駒絽作務衣(きゅぷらこまろさむえ)

天然素材キュプラを採用、粋な涼を遊ぶ作務衣です。
風にそよぐ木々の透間から、ゆるやかに差し込む木漏れ日に涼しさを覚える季節がやってきました。それはいわば目で愉しむ心の涼感。その粋を清々しい装いに込めたのが「絽(ろ)」です。
夏姿の究極は絽に尽きる…といわれてきたように、絽の一着をご愛用いただいている会員の方々から大好評。ある会員の方は、「着たときの通気性の素晴らしさはもちろん、視覚的にも涼を感じさせるところがたまらない。古くから大店の旦那衆などが好んで求めたという高級感と透明感、夏着尺はやはり絽にとどめをさすね」と、もうぞっこんのご様子。
だからこそ、絽を作務衣に仕立てたシリーズは、紗のシリーズと共に、まさに両雄並び立つとばかりに、この季節になると引っ張りだこの状態となるのです。
さて、その待望の新作ですが、作務衣の専門館のこだわりをお見せ致したく、まず素材からこだわりました。絹のような光沢と優しさを持った天然素材キュプラを100%採用することにより、抜群の肌触りを実現。滑らかな袖通しの感触は、忘れられなくなるほど。
そこに撥水加工を施してありますから、これからの季節につきものの突然の雨にも慌てることがありません。彩りはご覧の通り、王道の紺を採用し、透けて見える肌着とのコントラストを強めることにより、視覚的な涼感をぐっと高めました。
暑いからと、ついつい手を抜きがちになるこれからの季節こそ、絽の作務衣にて、周りの視線を思う存分一人占めにしていただきたいと思います。

キュプラ楊柳作務衣(きゅぷらようりゅうさむえ)

“さらさら” 感を天然素材のキュプラで愉しむ。
太目の生地のちぢみが、さらなる涼感を呼ぶ、絹のような着心地の一着。天然素材が醸し出す涼感と絹のような感触がたまらない!
このキュプラ楊柳作務衣は、試作品が会議の席に届けられた途端、一同が思わず息を呑んだほどの、圧倒的な格調の高さが魅力のひとつ。素材は一年草の綿から生まれた天然素材のキュプラを採用。綿の優しさと絹の滑らかさを併せ持つ抜群の肌触りは、春夏の一着の素材として最適な着心地効果を発揮しています。
しかも天然素材のキュプラは水分を素早く吸い取り、すみやかに吐き出し呼吸する繊維ですから、汗をかいても常に快適さを保ってくれるというわけ。その生地に、肌との接触面を減らし爽やかさを高める楊柳ならではの“ちぢみ加工”を、この作品に関しては、よりざっくりと施してあります。見た目はもちろん、袖通しの際の清々しさがさらに高まっているのです。
彩りは春夏らしい行動的なベージュを採用。白生地を後染めにて仕立てるのですが、ざっくりとした“ちぢみ加工”が醸し出す生地の特性により、染めに適度な濃淡が生まれ、単色ではないまるで涼やかな清水がさらさらと生地の上を流れるような微細な変化と涼感を生み出しています。
また、楊柳はシワになりにくいという特質も持っていますから、例えばゴールデンウィークでの旅行の際に折り畳んで鞄に入れて、旅先にて颯爽と変身…という愉しみ方も一興。
汗をかいても爽やかな楊柳とはいえ、季節柄やはり洗濯は頻繁になるもの。ご自宅での丸洗いも、ネットに入れていただけばOKです。