駒絽作務衣 夏風(こまろさむえ なつかぜ)

夏着尺として、古くから大店の旦那衆などが好んで求めた“紗”。 夏姿の究極は絽に尽きると言われるように、静かなる秩序に満ちた透間が生み出す、涼を呼ぶ透明感は、まさにため息もの。
昔から廃れずに伝えられて来ているものには、「やはりいいモノはいい」と人々に思わせる、確固たる魅力と力があります。
こちらも、通が好むといわれる“五本絽”を採用した、魅力あふれる一着です。季節に流されるのではなく、逆に季節を遊ぶという感覚で、心の贅沢をお楽しみ下さい。

縦紗作務衣 霧島(たてしゃさむえ きりしま)

衣替え…というとすぐに思い浮かぶのが6月、10月の年二回。
しかしながら、日本は四季の国。
本来ならば年に四回、衣替えがある方が、その季節の趣をより深く味わえるのではないでしょうか。
それはいわば、季節に強いられるのではなく、逆に季節を先取りしながら、装いを堪能するという贅沢…。
“粋”という言葉は、そんな行為から生まれたのかも知れません。
江戸時代から伝わる縦紗技法を取り入れた新作は、その名の通り、縦に流れる織りで全身すっきり。作務衣姿での立ち姿が一段と凛々しく映えます。

駒絽作務衣 嵯峨野・葉山(こまろさむえ さがの・はやま)

「透かしの美学」の究極の贅――。季節を存分に楽しむための絽の誕生。
夏姿の究極は絽に尽きる、と言われるように、目にも風を呼ぶ絽の透明感は、この季節になるとお洒落の達人たちをはじめ、多くの人々に愛されてきました。
その、「透かしの美学」の究極版を創るべつ採用したのが、古来より伝わる「捩子織(もじりおり)」で織られた三本駒絽と呼ばれる生地でした。
夏着尺として、古くから大店の旦那衆などが好んで求めた高級感あふれる生地で仕立てた作務衣をまとえば、「いよっ、粋だね!」の声のひとつも飛んできそう。

縦紗作務衣 沢緑(たてしゃさむえ さわみどり)

シャリ感と清涼感。周囲の目にも涼を呼ぶ。
縦紗(たてしゃ)と呼ばれる、江戸時代から伝わる技法を採り入れた織りが実に印象的。
縦糸一本毎に経糸に捩れ目を造るという独特のもので、それにより微妙な透かし加減の味わい深い生地を創り上げました。
通常の紗を数段越えた、心地よいそのシャリ感と清涼感は、着る方の満足感に加え、「周囲の目にも涼を呼ぶ」絶品。
季節先取りで袖を通せば、いつにも増して凛と背筋が伸び、行き交う人の熱い視線を、より多く集めること請け合いです。

麻混紗作務衣 侘茶(あさこんしゃさむえ わびちゃ)

紗の透かしを通して、心地よい夏が見えてくる…通好みの彩りを放つ作務衣。
いにしえよりお洒落の達人たちが好んでまとったという紗。暑い夏に重ね着をすることにより、透かし加減で、涼感を演出するという逆転の発想が、今も多くの人を魅了してやみません。
当会が放つこの夏の紗の新作は、通好みの彩りである茶。作務衣ファンなら、ぜひ一着は揃えておきたくなるお洒落度の高さがたまりません。
炎天下、この作務衣をまとって涼しげに歩けば、人々の羨望の視線が集まること間違いなし。
暑さにかまけて、つい衣服も横着になる他の人を尻目に、紗の作務衣でたっぷりと、“お洒落の美学”をご堪能ください。

紗つむぎ作務衣(しゃつむぎさむえ)

ほどよい透かしと、シャリ感のある肌ざわりは、まさに盛夏の一着。
この「紗つむぎ作務衣」は道楽価格ではなく、誰でも手軽に求められる価格とするため、素材は絹にかわり、その光沢が最も絹に近いとされるポリエステルを使用。
それに、紬の特徴を再現するために、太さが一定せずに太細の変化がある糸を使った昔ながらの織り…と徹底して紗紬の風合いを求めています。
そして、名門桐生が本腰を入れただけに仕立て上がった「紗つむぎ作務衣」の出来栄えはびっくりするほど。素材をあかさなければ、昔ながらの紗つむぎだと言う人もいるほどです。
写真のように、いかにも涼しげな透明感。そして、太さが不均一な糸と強い撚りから生じるシャリ感の心地よさは抜群。汗をかいてもサラッとして肌にべとつかない風合いが得られます。
夏の陽射しの中でひときわ映えた、おじいちゃんの紗紬。その風合いが見事に再現されたというわけです。

銀紗作務衣(ぎんしゃさむえ)

古来から愛されてきた、透かしの美学。
絽や紗の“布地を透かす”という発想や技術は、二千年も昔に中国で生まれたといわれています。
細やかな美的感覚を持つ日本人にとって、この透かしの美学はとても好ましいものだったようで、絽や紗は古くより夏のお洒落には欠かせないものだったようです。
夏のお洒落の格上定番とされてきた紗。圧倒的な透明感を感じる銀紗作務衣には、静電気防止の加工も施されています。

綿絽作務衣 藍鼠(めんりょさむえ あいねず)

季節の光や風を採り込む。
見ているだけでも涼しげな色合いだと思いませんか。その上に五本絽の透間が光を通すのですから、気分は爽快の一言です。
綿素材の五本絽――当会の綿絽作務衣は、ひと季節早めに、春の終わり頃から着用を始められることをおすすめいたします。もちろん、盛夏まで絽の醍醐味を楽しむことができます。
絽や紗は、黒や紺など濃い色の方が透明感が強くて良い――という声もあるようですが、それは色が少なかった頃からの言い伝え。淡い色が見せる透明感はとても自然で柔らかく、心が和むものです。季節の光や風を採り込む一着、いかがでしょう。

緑紗作務衣(りょくしゃさむえ)

光を透かし、夏の主役をさらう。
麻がその感触で涼しさを感じるなら、視覚…つまり目で感じる涼しさもあります。その代表とも言うべきなのが、“絽”と“紗”と呼ばれる織物です。
当会もこれに挑戦。
まず、絽の作務衣「潮騒」を開発して世間をあっと言わせました。
そして春、そこまでは行くまい――という声に逆らうように「紗の作務衣」を発表しました。これが大評判。
藍紗の端正さに比べて、緑紗は“粋”な感じです。

行灯袴・上下組 野袴・生成と縹

「行灯」と呼ばれる様式を踏まえた袴上下。こんな時代だからこそ装ってみたい一着。
“袴”へのご関心が高いようです。
野袴や、作務衣と袴のアンサンブルがあるのなら、きちんとした袴の様式も揃えて欲しいとの声が湧出。このご期待に応えて「袴上下組」の登場です。
本袴と申しますか、いわゆる様式を踏まえた袴の上下。俗に「行灯袴」と呼ばれる形で仕立てました。
写真ではちょっと分かりにくいかも知れませんが、紗とも絽ともつかぬ独特の透明感がいかにも涼しげ。和装業界でも多くは見られない、春夏用の袴上下組です。
にじみ出る風格や日本人らしさが何とも新鮮。こんな時代だからこそ、装ってみたい一着です。
こちらは、藍染の彩り開発(藍墨)過程で蘇った「野袴」の様式。
一点は藍染好きにはたまらない「縹(はなだ)」、そしてもう一つは思い切って、綿素材の「生成(きなり)」。
何気なくご紹介していますが、いずれも結構インパクトの強い作品として仕上がっています。
本格的な「袴」と「作務衣」の中間に位置するようなこの様式は、なかなかに個性的。見る人に強い印象を与えることでしょう。