裏地にまで絹を用いた、素材、意匠ともに究極の逸品
新作「大島紬作務衣」の生地の彩りは、大島紬の代表的な色でもあり、人気も高い紺を採用。その高貴な彩りに加え大島紬の優れた点は、糸が柔らかく熟して、生地が驚くほどの堅牢性を増し、親から子へ代々着続けられ、永年に渡って味わいを増していくこと。
この生地にて新作を仕立てるために、当地の織元をスタッフが何度訪ね交渉を重ねたことか…。大島紬での作務衣が夢であったこと、高嶺の花という認識を打ち破る価格で提供したいということ等等…。
やがて大島を詣でること数ヶ月、織元が苦笑い交じりにぽつりと一言、「根負けしたよ…。とにかく、ひとつやってみるか」。それこそ、創造という共通のテーマを追い求める同士の探究心が合致した瞬間でした。
その言葉で、希少な生地を作務衣用に特別供給していただくこととなり、その結果、常識ではまず考えられない、まさに破格な大島紬の作務衣が、15年目にして誕生することになったのです。
「大島紬作務衣」こそ、装いの年輪を楽しむための豪著な一着。
この生地をさらに引き立てるために、羽織の意匠をはじめ細部にわたって高級和装仕立てを採用。また、本物の通は見えないところにこそ贅を注ぐとの例えの如く、生地の王者である絹を裏地に採用、おかいこぐるみの着心地が存分に愉しめます。
故に僭越ながら、その作務衣に袖通すことは、いわば“成功者の証”。社会的地位を確立した方にこそ似合う、逆に言えば着る方を作務衣が選ぶ、ステイタスシンボルとも呼ぶべき価値を持つことは、真の審美眼をお備えになられた方なら一目瞭然のはず…。
当会の創作の集大成とも言える作品「大島紬作務衣」、親子代々ご愛着願いたいのです。この作務衣にはそれが出来るのですから――。
大島紬作務衣 開発秘話(おおしまつむぎさむえ かいはつひわ)
これぞ“成功者の証”。着る方を選ぶ一着。
作務衣の普及と創作、進化に邁進せんと志を立て早くも15年。
基本を見据えながらも、多彩な素材と染めの採用、先端をゆく新素材の開発、高機能の付加…と作務衣の持つ様々な可能性を追求し続けてきた当会の、初心のおぼろな夢幻が今、高らかに現実のものとなった…。
「大島紬作務衣」。人生の成功者である、貴方にこそお召しいただきたい。
当会が旗揚げした早々の頃。
仕事帰りの、作務衣を話題の肴にした酒の席で、いつかは創ろうと笑い話で終わってしまっていた大島紬による夢の作品…。
その夢が、ひょんなことからたちまち現実味を増したのが、あれから光陰矢の如く、15年の時が流れた今年の初春のこと。当会作務衣のご意見番より、
「大島紬で作務衣を創ってみないか。いや、難しいのはよく分かる。だが、おたくが創らなくて、どこが創るの…」
その言葉が、スタッフ全員を一気に燃え上がらせ、それぞれが初心に戻り、夢の実現にひた走ったのでした。
厳かに、くつろぎたい--作務衣で迎えるお正月(2)
お正月のすべてを考えた作務衣の登場。
さまざまな想いを重ねてきたからこそ、いまは余裕を持ってお正月を迎えることができます。
ゆかしくも厳かな迎春儀式はきちんとこなす一方で、忙しさにかまけて忘れがちになっていた家族団らんの温もりのために心を配る。自分も成熟したなぁなどとつぶやき、そんな自分に照れてしまう自分。しみじみといいものです。
厳かさの中にくつろぎ--私ども伝統芸術を着る会では、こんなお正月を実現するために、創設以来一貫して「作務衣で迎えるお正月」というライフスタイルを提案してまいりました。
くつろぎ着という面では、作務衣の持つ様式や形、そして機能がすでに十分にその役を果たしていると思われます。
しかし、くつろげればどんな作務衣でも…というわけにはまいりません。伝承の儀式に対応でき、年賀のお客様への礼も失することのない作務衣でなくてはならないのです。
このような意味をふまえて当会では、お正月を十分に意識した目的対応の作務衣を開発、お正月特集号にて発表させていただいております。
重ね織作務衣 招福と羽織(しょうけんさむえ しょうふくとはおり)
笑う門には福来たる。笑顔と福を招く、お正月の作務衣です。
時代の変わる節目だからこそ、はなから笑って福を寿ぎ過ごしたい…。
そんな福福しい想いを込めたのが、新作「重ね織作務衣 招福」です。その開発記念と、この一年のご愛顧に感謝を込めましてお披露目させていただきます。
来たるお正月は例年とは別格。新しい時代への門出です。だからこそ、会員の方々には、より華やかに、より愉快に新年をお迎えいただきたい。
私どもでは今回、その想いを新作開発の際の基本の考え方、そして課題として、自らに託しました。つまり…
- 華やかなお正月用だから、素材はお洒落な光沢があるものにしたい。
- 彩りはどなたにでもしっくりと似合う落ち付いた色にしよう。
- もちろん暖かくなくてはならないから、織りは粋で保温性も豊かとの人気の“重ね織”を採用。
- 福贈りという意味も込めて、価格もグッと抑え目で…と、多彩な趣向の中にも、思わず愉快になっていただけるお得さも盛り込んでみました。
先染めの糸を用いた落ち着いたグレーの彩り、重ね織によりかもし出されるシルクのような光沢。暖かさも格別、丸洗いでシワになりにくい、お正月をお得な気分でしかもお洒落にする一着です。
正絹作務衣 吉祥と羽織(しょうけんさむえ きっしょうとはおり)
新春を粋に装う、艶消しの絹。
年の始めの装いは、燻し銀の風格。表は手紡ぎ絹糸のみじん小絣。裏地には逞しい爪で吉運を掴み、鋭い眼光で邪気を追い払うと言われる鷹の絵柄。
作務衣で迎える粋なお正月――
会員の皆様の間ですっかり定着した当会からのご提案「作務衣で迎えるお正月」は、作務衣未経験の皆様にとっても作務衣初体験のいいきっかけになっているようで、お正月用の作務衣として企画された正絹作務衣・寿シリーズが大好評。そして今度のお正月用作務衣として開発されたのがこの「正絹作務衣 吉祥」です。
スタッフ会議で決まったお正月用作務衣のテーマは「粋」。奥床しく、上品で深みのある日本独特の美意識「粋」です。当会の考える枠を表現するため、まず素材探しが始まりました。
手紡ぎの絹糸で手織りの風合いを…
奔走の末出会ったのが、この見事な風合いのみじん小絣。
繭から丹念に手紡ぎした絹の糸をできるかぎり手織りに近い状態にするため、半自動の木製織機を使って織り上げています。
染めではなく黒糸に白糸をからめることで表現された奥深い彩り。絹糸によりをかけた紬の糸を細かく打ち込んだ落ち着いた絣。てかりを押さえた織り上がりにより、絹本来の艶のみが味わえる渋い仕上がりとなりました。
粋な人は見えない所にこそ凝るものとか…
さらにこの作務衣の憎いところは、裏地にまで凝ったところ。
作務衣の裏地には、ご存知「一富士・二鷹・三茄子」の縁起三景の一つ、松に鷹の絵柄。昔から鷹は吉運を掴み邪気を追い払うと言われています。また、羽織には、金運を象徴する小判の柄が施されています。
まさに通好みの粋な「正絹作務衣 吉祥」はお正月を飾るに相応しい作務衣と言えます。
正絹作務衣 桔梗紺と羽織(しょうけんさむえ ききょうこんとはおり)
当会が誇る“絹の作務衣”シリーズに新しい一着が加わります。
この新作、素材はもちろん正絹100%。色合いはご覧の通り。これまで絹のシリーズは彩りの開発という一面を持っていましたが、今回は初心に戻るという意味も込めて伝統的な“紺”です。
とは言え、一捻り加えることは忘れていません。
遠目には分かりませんが寄ってみると、織模様が鮮やかに表情を作っています。これが<網代(あじろ)織り市松(いちまつ)くずし>。あの“市松”模様に少し変化を加えた何とも粋な織り柄です。
今の彩りに奥床しい織り柄が絹ならではの輝きをさらに奥深く気品に満ちたものとした一着。作品の手応えは十分です。
正絹黒作務衣 黒鉄(しょうけんさむえ くろがね)
別格ともいえる黒。黒の作務衣をいつ発表するか――当会の大きなテーマでした。その結論は、やはり正月しかありません。
もちろん正絹。初詣やお年賀にお召しいただきたく総裏付で仕立てました。足袋も黒はいかがでしょう。まさに、黒づくめの快感です。
正絹総裏付作務衣 慶寿(しょうけんそううらつきさむえ けいじゅ)
年賀三箇日に着る“お正月の作務衣”。大黒柱のための一着。七年目の寿シリーズの新作は“門出の松”で参ります。
お正月にこそ、正絹の作務衣を愉しんでいただきたい――そんな想いから誕生・出発いたしました<寿シリーズ>。今回の新作<慶寿>の彩りは、門出の松の緑。
年頭の晴れの舞台であるお正月の三箇日に一家の大黒柱に着ていただくための一着というだけあって、格調の高さと、威厳が違います。
袖を通せばその威厳にご家族の背筋もピンと伸び…
袖を通して、どかりと上座へ腰を降ろせば、普段見慣れた姿とは一味違った威風堂々たるその存在感に、ご家族の背筋もピンと伸び、正月ならではの清々しい緊張感と、大黒柱への尊称を称えたくつろぎのひとときが流れます。
そのあぐら姿は、まさにめでたく、頼り甲斐のある強い松。訪問者の方々も、その男振りに、さすが…の声をお洩らしになるに違いありません。
“きぬざしこ”の妙味が、裏地付きの温かさでより高鳴る
その羨望の声は、大黒柱が体を動かすごとに見せる作務衣の表情の変化でさらに高鳴るはず。絹100%の生地に施された刺子の微細な凹凸が生み出す表情がひとつではないからです。体の動きや光加減で醸し出る、無数のえも云われぬ優しさと気高いまでの多彩なその表情…たまりません。
もちろん従来のシリーズ作務衣同様、寒風の中においても正絹を着たときの格調の高さと誇り、凛々しいたたずまいを崩さぬよう、綿起毛の裏地を付け、暖かさもしっかりと確保しています。
また、記念となる品だからこそ、本格的な角袖羽織は決して欠かせません、しかも、お正月前後の時期にのみ発売する稀少品。ぜひご用命下さい。
正絹 謹寿角袖羽織(しょうけん きんじゅかくそではおり)
年賀の訪問に羽織は欠かせない――。とくれば、ここは別格の角袖羽織でとどめをさす。
極めつけの作務衣を着ての年賀のご訪問なら、羽織を忘れては、まさに画竜点睛を欠く…。
年賀の挨拶といえば、その人の新年にかける意気込み具合、決意の表明ともとれるもの。ならば、ここはひとつ、めでたさ尽くしの格調高き羽織を合わせ、堂々の主張にて参りましょう。
それも先様への尊敬の念を込めて、礼にかなった角袖羽織を颯爽とまとって臨んでいただきたいと思います。
「正絹刺子織作務衣 謹寿」と共布で仕立てたそのひと振りを合わせれば、作務衣と共に醸し出る気高い流麗さに思わず息を呑むほど…。その趣味の良さに大向こうから“いよっ!”とかけ声がかかりそう。この伝統美、決して着逃せません。
正絹刺子織作務衣 謹寿(しょうけんさしこおりさむえ きんじゅ)
正絹に綿起毛の裏地を…外見も着心地も最高峰!
正月という日本の様式美の場に臨むにあたって最もふさわしく、そして日本人に最も愛されていると言っても過言ではない、極めつけの彩りである黒を…という想いから生まれた新作は、慎み深く事を祝うという和の精神にふさわしく、「正絹刺子織作務衣 謹寿」と名乗ります。
黒と一口に言っても、その彩りは奥深きもの。刺し模様の質感が微細な白と黒の世界を展開し、全体の色彩感としては濃い鼠色を思わせる、これぞまさしく“黒刺子”。
この彩りと質感を流麗に気高く包み込んでいるのが絹ならではの輝き。なにしろ刺子に織るために、通常の三割近くも絹を多く用い、その光沢は刺子独特の凹凸を見事に際立たせています。
織りはもちろん刺子織。同じ太さの糸を浮き織りにして凹凸を付ける<崩し織刺子>という伝統の技法を採用することで、絹の輝き過ぎを抑え、総じて格調の高さを生み出しています。
さらに特筆したいのは、寒さの中でも凛々しいたたずまいを損なわぬよう、綿起毛の裏地を付けたこと。
絹と刺子の微妙な調和、そして温かさまでも手に入れるという贅沢さ…まさに、着る人を心身ともに満足させ、思わず人にも見せたくなる一着です。
日本のお正月にはやはり黒、それも刺子で…。最高のものを年頭から着る慶びを味わえるこの新作。
大黒柱に相応しい晴れの作務衣として、ぜひおまとい下さい。