羅を少し遠い先祖とすると、紗と絽は兄弟のようなもの。ですから、絽の説明をする場合、これをセットにしてお話した方が分かりやすいと思います。
紗も絽も共に、からみ織という技法で織られています。
基本的に織物は、経糸(タテ糸)と緯糸(ヨコ糸)が直角に交差することで平面を作っています。
そして、からみ織とは経糸が二本(地経糸・綟経糸)一組となって、緯糸一本、あるいは奇数(三・五・七)ごとによじり、そこに緯糸を打ち込み透間を作る技法のことを言います。
図のように、紗は、緯糸一本おきによじれを作り透間を作っていきます。この目の粗さが透明感を作るわけです。
一方、絽は一度よじった後、緯糸三本おき、五本おき、七本おきという具合に経糸をよじって絽目という透間を作っています。
紗は、絽目を連続させたものですが、絽の方はその間に平織りを入れていきます。平織りの部分の緯糸の数、三、五、七によってそれぞれ「三本絽」「五本絽」「七本絽」と呼ばれています。