“心の書斎”と呼ばれる作務衣の魅力を問う(1)

優れた和の装いを生んだ先人の知恵に脱帽
作務衣とは、古来より僧侶たちが作務(さむ:雑念をなくすための労働一般のことを言い、大切な修行とされている)を行うために着用したものです。
四季を通じて厳しい修行をする際に着ることを前提で考えられたものだけに、その着やすさ、動きやすさ、丈夫さは格別。はるか昔にこんな機能性を生み出した先人の知恵や工夫にはただ感服させられるばかりです。
機能性に加え、高い精神力が作務衣の魅力
その“古き佳き装い”である作務衣を復刻し、次代へと送り継ぎたいという趣旨で発足したのが『伝統芸術を着る会』ですが、作務衣を主題として取り上げたのには、この装いの持つ高い精神力に魅かれたからだと言います。
袖を通すだけで背筋がピンと伸びる感覚、仕事や世間のわずらわしさから解放され心が洗い流されてゆくような気分。まさに“心の書斎”と呼ぶに相応しい優れた装いだというのが理由。
さらに、この精神性の高さに加えて、優れた機能性と合理性。しかも、着るだけで「渋さ」と「粋」を演出できる見栄えの良さを併せ持った装いは、確かにちょっと他に類を見ないものです。

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