正藍染の草木染の茶と緑糸を撚り合わせて紬に…
気分が乗っていたのだろう、いつもなら2~3ヶ月はかかる試作期間がその半分で済んだ。完成試着会に望んだ職人たちの満足気な顔付きが、今回の記念作務衣の出来栄えを物語っている。深みというか奥行きのある藍である。微妙に緑色がからみ、まさにその名の如く青淵の彩りだ。
タテ糸は例のトルファン綿糸を正藍染にて先染め。武州ならではの絣が生きている。ヨコ糸は…。
「茶と緑の草木染の糸に、藍染の糸を撚り合せた太糸で紬に仕上げてみた」と石塚さんの口から自信満々の説明である。
青木渓水さんは含み笑いしながら口をはさまない。文句なし!という時に見せるこの人の表情である。
秋元さんは?知らぬ顔の半兵衛を決め込んでタバコをふかしている。
この三人の構図をして、武州では“完璧”という。