科学染料ではなく、本物には本物の染めを…
しかしながら、その昔は隆盛を極めていた藍染めも、時が流れるに従い科学染料が開発されるに及んで、手間隙がかかり経済効果も悪いという理由で現在ではその技法を守る染めの里も数をすっかり減らし、特に腕のいい職人は、それこそ指で折れるほどになってしまっていました。
とはいえ、本物の作務衣創りを志向する当会においては、真の藍染を欠かすことは絶対にできません。
なぜなら、科学染料による色と藍染を比べたとき、それはまさに似て非なるもの。天と地ほどの違いを出してしまうからなのです。
前述した如く、本物の作務衣創りに昔ながらの手法をかたくなに守る藍染が必要だと申し上げたのは、このような理由によるものでした。
それもそのはず、その昔、作務衣が生まれた頃には、科学染料など存在しなかったのですから…。