古代の浪漫 泥染(2)

せわしい世の中にあって古代に夢馳せる贅沢。
素材はもちろん天然の恵み豊かな綿100%を採用。その無垢な素材を、藍にて一度薄く染め、その上からりょくばん酸化第一鉄を含んだ泥を用い、媒染に特殊な石灰を使いながら染色。
そこから、えもいわれぬ素朴な温もりを放つ彩りが生まれたのです。いや、何千年ぶりに蘇ったというのが正解…。
しかも、これも先人の知恵の賜物なのでしょうか、泥には多くの鉄分が含まれており、まとうだけで身体にいい影響を与えてくれます。
群馬県にある有名な温泉地、伊香保温泉がその顕著な例で、赤茶けた不透明なお湯は鉄分の多い証拠。昔から「伊香保温泉は皮膚病に良い」と言われ、お湯につかったり赤茶けた手ぬぐいやタオルを持ち帰り、それで浴衣や寝間着を作ると蚊や虫を防ぐ効果があったとか…。
科学染料を一切使わず、いわば無農薬製法とも呼べる純な工程から生まれた「泥染作務衣 古代茶」。
もちろんすべてが手染めのため、一着ずつの仕上がりが微妙に違います。だからこそ手に入れた一着は、世界でただひとつ、その方だけの一品。
汚れを知らない弥生、縄文時代の人々の無垢な息吹を肌で感じながら、古代に思いを馳せつつ静かな時を過ごす…。
せちがらい世の中だからこそ、そんな心の贅沢を存分に愉しんでいただきたいと思います。

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