タテ糸に幾度も藍がめをくぐらせながら薄く染め上げた正藍染の糸。これに交わるヨコ糸は蘇芳の黄色を採り込んだ草木染の糸。加えて、太さ細さが不均一な藍紺のスラブ糸。
この三糸を交織技法にて織り上げ彩りとする。
そのさじ加減は織り師の腕と感性。
総じて草を思わせる色合いに、さまざまな表情がこぼれ出る――これこそ交織の醍醐味。
織り師のたくらみに五感をゆさぶられ、そのイメージは限りなく広がってゆく…。
羽織の写真もご覧下さい。淡い草色の広がりを、同系の濃い緑がきりりと引き締めています。羽織としては初めて衿にそって彩りを配しました。
作務衣そのものをさらに奥深く印象的にする羽織――おすすめします。