綿、麻、絹の三絲織(さんしおり)(2)

繊細にして高感度な春の作務衣が誕生!
この生成りの反物に色を染めます。織りの表情と三素材の色付き具合の個性を出すため、敢えて後染めの手法をとりました。
色は三彩。植物染料<茜(あかね)>を使った赤系。茜に藍玉を混ぜた紫系、そして植物染料<刈安(かりやす)>による黄系の三色です。
いずれも、これぞ春!という感じの三彩。そのいずれにも、正藍の春雨が音もなく降り注いでいるのです。
三素材を織り込む大胆さ。さらに雨がすりの配置、加えて万葉染めによる春三彩の表現――こんなに繊細で味わい深い作務衣は後にも先にも類を見ません。まさに、官能をくすぐる高感度な作務衣と申し上げても過言ではないでしょう。
それもこれも、織りの石塚、染めの秋元という二人の職人の技術とセンスなくしては成し得なかった仕事なのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です