絹古彩にはじまった当会の正絹作務衣のシリーズは、その後、絹唐桟、絹天竜、絹刺子――と種類も内容も順調にその幅をひ広げてまいりました。そして、ここにご紹介する新作もまた、新しくスタートを切る正絹シリーズの第一弾となるものです。
新シリーズの特色は生地全体に絣っているいわゆる<霜降り>の仕上げにあります。このため、絹もその特徴である光沢やしなやかさだけではなく、さらに深みのある風合いを醸し出すことができています。
深緑に白い絣――その色合いは、浅海の岩の上に生える海草にちなんだ、<海松(みる)>という古色。磯の香りが漂ってきそうな味わい深い彩りです。
この「正絹作務衣 海松」は、お正月をクライマックスとするこれからの季節にもお召しいただきたく、上下とも総裏付で仕立てました。「暖かい上にすべりが良くて着やすい」とこの総裏仕立ては好評です。