怖いもの知らずの感性が、新しい伝統を育てています。
“古き佳き装い”を現代に蘇らせる――これは、私ども「伝統芸術を着る会」が掲げた大きな目的のひとつです。そして、この目的は皆様のご支援のおかげで着々と成果を上げてまいりました。
しかし、そのことに全力を注ぐとき、待ち受けているのが、もうひとつの大きなテーマ――「次世代へ向けての新しい方向性」へのステップです。
若い芽を摘むことなく、大きく育てたい!
職人の世界で、今最も頭が痛いのは後継者の問題だといわれています。しかし、その芽がまったくないかというと、そうでもないのです。藍染や織物の面白さに目を止めた若者たちが、数こそ多くはありませんが、このところ増える傾向にあります。
彼らは、伝統的な技法を基本として学びながら、一方では、ベテラン職人の及びもつなかい感性や発想で新しいものに挑んでいます。
当会では、決してこの芽を摘むことなく育てていきたいと考えています。そして、機会あるごとに、彼らの作品を皆様にもご紹介していくつもりでおります。
そして今回、ご紹介できるレベルに発表させていただきます。武州の秋元さん(染師)、西ケ崎の七代目たち名人に、時代の変化を痛い程知らしめた若い職人たちの挑戦をお受けとめ下さい。