藍の潔さ、黒の剛毅。「吉岡流憲法染」(3)

梅染めの茶と藍が奥深い黒を生み出す。
正藍染については問題なし。問題は憲法黒の再現です。
元々の憲法黒は、梅の樹皮だけで染めていたと言われますが、江戸時代に入ってからは、まず藍で下染めしてから梅で染めるようになったとのこと。今回は、あくまで藍の開発ですから、後者を採ります。
名前は聞いたことがあっても実際に染めるのは初めての秋元さん。クチは北さん、ウデは秋さんの二人三脚で試し染めが続きます。
下の写真のように、
1、正藍染による下染め
2、梅の枝の樹皮から採った染液による染め
3、鉄媒染
という工程を幾度も繰り返し、納得のいく“黒”に染め上げていくのです。
ポイントは、やはり3の鉄媒染。クギや鉄片などで作った媒染液が黒の味わいを決めるため、北さんも力が入ります。1~3の工程の繰り返しを調整しながら約一ヶ月。さすが鉄媒染の第一人者である博士こと北一男さん。みごとな吉岡の黒を再現してくれました。
「それにしてもいい黒だね。単純な黒じゃないもんね。梅染めの茶と藍が交じって実に奥深い黒だよ」と北さん自身が感動する程。さあ、この憲法黒をヨコ糸に使い、正藍染のタテ糸と交わらした時、どんな新しい藍の彩りが出現するのでしょうか。
1、まず正藍染にて下染めを施す。この糸を…

2、梅の樹皮染液で染め、藍に茶色をしのばせてゆく。

3、鉄媒染液に漬け黒に仕上げる。1~3を何回も繰り返す。

◇「藍の潔さ、黒の剛毅。「吉岡流憲法染」(4)」に続く…

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